2013年11月27日水曜日

ロズ•サベージさん


月曜日の夜は、久しぶりに聞いてみたいなというAlternatives主催のトークがあったので、セント•ジェームズ教会の方に行って来ました。ゲスト•スピーカーは、ロズ•サベージさん。イギリス出身で、オックスフォード大出の才女。お金で全てが買えると信じて、シティ(ロンドンの金融街)で働いていたのですが、これは私の人生じゃない!と目覚め、離婚、全てを売り払い、一から出直し。その時、またやりたいなと思ったのが、大学の時にやっていたボート競技(ローイング)。(オックスフォードはケンブリッジと並び、ローイングが有名ですから)そして彼女が辿り着いたのが、一人で大西洋横断を横断するというアイデア。(普通は、ペアか4人で横断するそうです。)

お話の途中で、その時の映像を見せてくれましたが、カナリア諸島を出発し、途中、持っていたオールが全て壊れ、なんとか繋ぎ合わせ漕ぎ続け、更にナビゲーション機器も壊れ、衛星電話も壊れ、またずっと同じ姿勢で漕ぐ事から、体中痛くなり、手にマメは出来るは、予想していたものより大変な旅になったそうです。ビデオに向かって愚痴をこぼしながら、それでも無事に3千マイルの距離、103日かけてアンティグア島に辿り着きました。

おもしろいなと思ったのは、彼女は衛星電話が壊れた時から24日間、本当の孤独を体験。そして孤独を楽しむ事を知ったそうです。回りは海ばかり、誰も話しをする相手がいないと言う環境で、国籍人種など全ての概念が無くなり、一人の「人間」としての感覚が目覚め、また回りに誰もいないので、全裸になってボートを漕ぐ時間もあり、横を泳ぐイルカと同じになったような開放感を味わったそうです。頭の中を巡る雑念は、オールを漕ぐ回数を数える事で、取り除く。最低限の必要な物しかないボートの上での生活。殆ど毎日が瞑想状態になっていたのですね。衛星電話が使えた時は、天気予報などの情報が入るたびに、雨が降る降らないで一喜一憂し(実際降らなかったりする)、天気を心配しこの先どれくらい進めるかと言う事ばかり考えていたそう。それが無くなった時は、逆に自由になったと感じたそうです。彼女自身、ニール•ドナルド•ウォルシュ氏の神との対話を読んだりしているので、ただのスポーツ•チャレンジにならず、スピリチャルな旅になったようです。

彼女はその後、太平洋横断、インド洋横断を成功させています。女性で、三つの大海を制覇したのは彼女が最初で、ギネス記録の保持者です。

ロズさんは、昔を振り返って、物を持っていた時の方が、物に対する執着や将来に対する不安や強く、海の上で学んだシンプルな生活に変えた方が逆に人生に対する不安がなくなったと、言っていました。恐れに対する対処方も紹介してくれました。

そして、海で学んだ事を陸でどう生かすかが、大切と語っていました。山の修行より里の修行とはまさにこの事。ロズさんは、先日、女王陛下より勲章を貰っています。興味のある方はロズさんのサイトの方へ。http://www.rozsavage.com

2013年11月1日金曜日

コンドルと遊ぶ(ペルー&ボリビア旅日記番外編)

さてボリビアから戻ってから、ペルーの弟分の紹介でコチャワシ•アニマル•サンクチュアリという野生動物保護センターでボランティアしました。場所的には、クスコとピサックの中間と言えばよいでしょうか。バス、コンビ、タクシーを使って行けますが、グループで来る見学者が多かったので、クスコからのツアーに含まれているのかもしれません。突然お邪魔したのに快く受け入れてくれて、仕事をさせてくれました。ここには保護されたコンドル、ピューマ、ビクーニャ、リャマ、ハヤブサ、オウム、インコ、亀、などなどがいます。
仲間と喧嘩して片目を失ったビクーニャ。縄張り意識が強く、結構気が荒い。
コンドルは希少で、ただでさえ数が減って来ている所、この所の先住民の儀式への関心の高まりから、コンドルの羽がペルーの闇市で一枚50〜100ドルで取引されているそうで、その為に捕獲され殺されるコンドルが増えて来ているとの事。コンドルは5、6歳になるまで生殖行動がない上、オシドリと一緒で一生つがいを守り、しかも卵は一回につき1、2個しか生まないので、繁殖させるのが難しいとか。コチャワシにいるコンドル達は、保護された後に、そのまま養育され、いづれは数を増やしたいという意図があるようです。(そしていつか自然に還したいと。)また、コンドルや野生動物の事をもっと知ってもらうという教育的目的があるそうです。センターのスタッフが動物の生態などについて、細かく説明してくれます。高い山に住んでいる野生のコンドルなんて、そうそう見れる生き物ではないですもんね。
私がいただいたお仕事は、コンドルの飼育されている場所でのお掃除。小石や砂利などを取り除きながら、しっかりコンドルの生態を観察出来ました。近くで見るコンドルの大きさにびっくり。羽を広げると3mにもなるそうです。大きな羽を広げて空を飛んでいる様子は圧巻。風が強くなると、自分から飛ぶのです。一度風に乗ってしまえば、あまり羽ばたく必要がないみたい。

センターのマネジャーさんとお話した時に、コンドルの餌の話になり、パンパで見た禿鷲が亀の卵を食べていたのを思い出し、聞いたらコンドルも卵が好きだという事で、翌日、鶏の卵を買ってコンドルにあげました。久しぶりだったらしく、最初はどうしていいのか解らないようでしたが、やっと嘴で卵を挟み、割る事に成功。おいしそうに生卵を食べていました。(生卵好きな日本人と一緒。(笑))
右側のコンドルはまだ若いコンドルで、8歳ぐらいになると
毛の色が変わって左側にいるコンドルのようになるそうです。
一羽、別囲いのコンドルがいるので、どうしたのかと聞いてみたら、なんと、チチカカ湖の畔で、5年間もロープで繋がれた状態で発見されたそうで、人間に対する怒りが溜まっているのか、人間を信用しないのか、かなり気が荒く人間に向かって来るので、他のコンドルと離しているとか。確かに、他のコンドル達は、人間(見学者)が来ても気にしない。平気で横をトコトコ歩いているし(逆に人間に興味を持っているような所あり)、ツーショットで写真も撮らせてくれる。ところが、この檻に入れられたコンドル、ふーっと羽を膨らませ、ちょっかいを出そうとした見学中の男性に向かって行ったりしていました。他のコンドルほど自由がなく、隔離されている事も原因のようです。
ボランティア二日目。暑い日で、このコンドルが、空っぽの洗面器を嘴でコンコンとたたいているのを見て、お水が欲しいんだなと気づき、職員の人に伝えました。職員の人がセンターの真ん中を流れる川の水を汲んで持って来ると、洗面器をひっくり返してしまいました。(こういう子供いますよね(笑))。今度は私が水を汲んで来てあげると、檻に近づけたバケツの縁を噛むのです。ふざけてバケツを揺らして、水かけっこ。コンドルも嫌がらず、噛んだり離したり。殆ど子供の遊び状態だったのですが、困った事に私が立ち去ろうとすると、バケツの縁を思いっきり噛み離さないのです。行くなという事なんでしょうが、その嘴の力の強さにコンドルが大型動物の死肉を食べる鳥だと言うのが良く解りました。(大型動物の皮膚は固く食い破るのが大変。)きっと、このコンドル「暴れん坊」なので、遊んで欲しいのに誰も構ってあげないんだろうなぁ。。。

人懐こいオウム。可愛く見えるけど、実は
いじめっ子で他のオウムを具合が悪く
なる
まで苛めたらしい•••。(人間でもそう言う
話聞きますよね•••とほほ。)
コンドル、多岐に渡るコミュニケーション能力があるそうですが、とても知的な鳥だと思いました。北米はイーグル、南米はコンドルと言いますが、米国ではネイティブの方とお付き合いはあったのですが、あまりイーグルに馴染む事がなく•••。今回の出来事で、コンドルのファンになってしまいました。ペルーとボリビアで野生動物と間近に接する事が出来、かなり恐れと偏見もなくなりました。人間と姿形が違うからとか、人間の言葉を話さないから、人間より劣っているとは限らないのです。また、人間の言葉に頼らずコミュニケーションする環境にいたので、私の(テレ)エンパシー能力もアップ。動物って人間の出す波動(思考•感情)に敏感なんですね。

コチャワシでボランティアをされたい方、なるべく事前に連絡を取った方が良いのと(私は運営している方の友人の紹介だったのですんなり受け入れてくれたようですが)、ペルーの弟分曰く、センターに伺う時は動物の餌になるようなもの(バナナ、みかんなどの果物、卵、生肉)を持って行くのがマナーのようです。(ヨーロッパから来たボランティアさんがいましたが、そう言った現地の習慣にはうといようでした。日本と一緒で、やはりちょっとした気遣いは喜ばれるようです。)

また、コチャワシの運営管理は、入場料の他に見学者の寄付で支えられているようです。小額で結構ですので、皆様からの寄付をお願いします、との事です。(小額が、ペルーでは結構大きな額になったりするのです。)
ウェブサイト: http://www.santuariocochahuasi.com
コンドルの羽。