2013年6月29日土曜日

セバスチアン・サルガド写真展「ジェネシス」


1944年ブラジル生まれの報道写真家、セバスティアン・サルガドの写真展を自然史博物館に観に行って来ました。毎月、最後の週の金曜日は博物館が夜の10時半まで開館しています。ということで、館内は仕事帰りの人などでごったがえし、生演奏の音楽などもやっていました。(ただ、コンサート・ホールではないので、音響は悪いです。)


今回のサルガドの写真展のタイトルはジェネシス(創世記)。パタゴニア、北米などの風景写真と、アフリカ、インドネシア、パプア・ニューギニア、アマゾンなどのネイティブの人達の写真が中心に展示されています。彼の作品は、フォーカスがシャープではなく、ややぼけ気味というか目が粗い画像で、光と影をうまく使っているので、写真というよりアートな雰囲気の方が強いように感じました。ISOの度数が高そうだなと思って、ググったら、ISO3600を好んで使っているそうで、また使っているカメラはライカやペンタックスなど、フィルムもTri-X, Tmaxとありました。あの重厚な感じはそういったところから出てくるようです。

動いている野生の生き物を撮るのは難しいのですが、構図も素晴らしいものが多く、また、彼の撮ったネイティブの人達の写真はポートレイト的で、エドワード・カーチス(北米インディアンの写真家)を彷彿させました。

かなりの数の写真を展示しているのですが、ちょっと残念だったのは、会場のレイアウト。迷路みたいで、スムーズに流れに沿って見るような作りではありませんでした。私たちは会場の中を行ったり来たり(汗)。

写真展は9月8日までです。


2013年6月17日月曜日

おいしい

イギリスの中華はおいしいので、よく食べるのですが(イギリス料理がまずいから?)、時々、不思議なものをみかけます。先日入ったグリニッチの中華のお店では、こんなお皿が出てきました。確かにお料理は「おいしい」かったけど・・・。


ここ十年ぐらい、和食の店がものすごい数で増えているのですが、中国人が経営している所が多いようで、中国のものとごっちゃになったような場所があります。

笑える話ですが、お寿司がメジャーになり始めた頃、友人とロンドン郊外にあるお寿司屋さんにお寿司を食べに行きました。メニューを見ると「ネギトロ巻き」とあり、おお!イギリスでネギトロが食べれるなんて!とわくわくしながら頼みました。出てきたものは「ネギのワケギの束に、薄く切ったマグロの刺身が巻き付けられた」ものでした・・・。シャリもなし。海苔もなし。確かに「ネギ・トロ・巻き」文法的には正しい解釈ですが・・・(汗)。サラダとしてなら結構いけたかも。という事で、そのお店は中国人が経営しているお店と解りました(笑)。

同じ頃、有名なスーパー、マークス&スペンサーでもパックに入ったお寿司が販売され、おお!遂にまともな寿司が登場した!と思って買って帰って、蓋を開けてみたら、赤いものは、マグロじゃなくて、ただの「パプリカ」(肉厚の赤ピーマン)だったなんて事もありました。友人には「あなた目が悪いの?」とさんざん笑われました(笑)。そうです、イギリスにいると、目がおかしくなるんです(笑)。

2013年6月16日日曜日

コズミックな土曜日(Visions of the UNIVERSE展)


グリニッチにある国立海事博物館に「Visions of the UNIVERSE (宇宙の画像)」展を観に行ってまいりました。昔に比べ、今は写真撮影の技術と望遠鏡の性能が良くなっているので、写真の画像がとてもきれいになり、遠くの星の写真もいろいろ出回っています。会場に書かれていた「The sky is the ultimate art gallery above us (空は、我々の頭上にある究極のアート・ギャラリーだ)」という言葉にもうなずけました。

展覧会は月に始まり、太陽、太陽系の他の惑星の写真だけでなく、遠くの星雲の写真が飾られており、最後に巨大なスクリーンに映し出された映像は圧巻でした。実際のものは何万倍も大きいのでしょうね。スタートレックの世界です。土星の輪の写真などを見ていて、コンピュータ・グラフィックで描かれたような、正確な円に、大宇宙の創造したものに間違いはない、なんて思ってしまいました。火星の写真は手が加えられているような気がしたけど(笑)。

お店に、あまりポストカードの種類がなかったのが残念です。あと、前回来た時より、警備が厳しくなったようで、チケットを買った時に、私が持っていたショルダーバッグをクロークの方に預けてくれと言われて、貴重品が入っているので預けるのが嫌で会場に持って入ろうとしたら、入り口でビニール袋を渡され、バッグを入れさせられました。肩掛けバッグを手で持つと、なんかバランスが悪く、写真を見ている時気になりました。

展覧会の後は、お昼を食べて、グリニッチ・パークへ。6月なのに、雨が降ったりやんだりでまだまだ肌寒いロンドンですが、雨が降った後のグリニッチ・パークは、新緑の匂いがして気持ちよかったです。

Visions of the UNIVERSE展は9月までやっています。


2013年6月11日火曜日

マイケル・ローズさん



久しぶりにAlternatives主催のトークに行って来ました。ゲスト・スピーカーは、イギリス出身でオーストラリアに拠点を置いて活躍しているマイケル・ローズ(Michael Roads)さん。日本でも人気にある方のようですね(http://www.michaelroadsjapan.com/index.html)。マイケルは、もともと農家の出身で、農業を通して自然と繋がる事を学び目覚めた人です。本をいっぱい書いていて、スコットランドにあるフィンドホーンとも関係が深いようです。

ユーチューブにあるマイケルのインタビューを観て、彼の言っている事がシンプルなのと、イギリス人らしいユーモアのセンスに引かれ、実際に会ってみたいなと思っていた所です。

昨晩のトークでも、マイケルは、私たちの態度(意識)のあり方、自然との関わり方を、彼自身が体験した事をもとに得意のジョークを交え語ってくれました。彼の言っている事は一環していて、ユーチューブのインタビューと殆ど同じ事を言っていました。「人間は、自分たちのやっている事、考えている事を意識しないで生きてきた。それで効果はあったかい?なかっただろう。だから世界はこんな状態になってしまったんだ。これからはもっと意識して生きていかなければ駄目だ。」「愛を選択をしよう。この場合、僕の言う愛とは気持ち(感情)の事ではない。愛とは、創造する力の事だ。」「無意識に聞く事と、意識して聞く事は違う。庭いじりをしている時は、自然と一体となるよう耳をかたむけよう。」

彼の暖かい人柄が感じられるトークでした。

会場のセント・ジェームズ教会。英国国教会の教会ですが、こういったスピ系のイベントの会場となっています。


2013年6月7日金曜日

イギリスの学校教育


ストーンヘンジのツアーで、8歳と5歳の子供連れの中国人のお母さんと話す機会がありました。子供が学校の中休みなので、子供を連れてツアーに参加したとの事。以外に知られていないかもしれませんが、イギリスの学校は休みが多いんです。3学期制で、9月に新学期が始まり、それぞれの学期毎に中休みなるものが存在するのです。更に、(予算の関係で)放課後の部活とかやっている学校も少なくなって来ています。

お母さんは教育熱心な高学歴中国人の典型らしく、当然子供は私立の小学校に通わせているそうです。日本人の知り合いが同じ様に、ロンドンの私立の小学校に子供を通わせていたので知っているのですが、私立の学校は、普通の学校の中休みが一週間の所、二週間休みを取り、クリスマス、イースターのお休みも3週間(普通の学校は2週間)。当然夏休みは2ヶ月まるまる休み(当然その間、宿題とか課題とか無し)。お母さんは、「高い学費を払っている割に、学校で過ごす時間が短い。先生達はいったい何をしているんだ。私は家にいて仕事をしているからいいけど、これで外で仕事をしていたら、仕事を辞めなければならない」と文句たらたら。(ごもっとも•••)

お母さん達は、旦那さんの赴任でイギリスに来る前は、カリフォルニアとNYに住んでいたそうです。こんな馬鹿げたシステムの国にはいられないと、夏にはNYに戻る事にしたそうです。(アメリカの私立は、イギリスほどふざけた学期制度じゃないのかしら。)

その流れで、こちらで結婚した日本人の先輩と話をした時に、彼女のお子さん達の話になり(お子さん達は既に成人しています)、当時は「学校の歴史教育がひどかった」と教えてくれました。英国史は、ヘンリー8世(スペインの王女様と離婚したくてバチカンと喧嘩し、イギリス国教を設立し、その後奥さんを5人も替えた王様)と第二次世界大戦の所だけは重点的にやり、他の部分はさらっと流す。世界史も、日本のようにエジプト文明とかギリシャ文明とか黄河文明とか、紀元前の部分からきちんと教えないので、子供達の歴史の知識がかなり偏ってしまったそうです。(今の学校教育はちょっと改善されているかもしれませんが。)

以前、高校の先生とフラットをシェアしていた事があるので知っているのですが、こちらの学校の先生は、日本の学校の先生ほど忙しくありません(部活の顧問の制度とかないし)。私の兄は都立高校の先生で、こちらの先生達が「忙しい。時間がない」と言っているのを聞く度に、兄の忙しさを思い出し、嘘でしょ、と思ってしまいます。

こちらに来て、大きな事件でもない限り、イギリス以外の国の事情を良く知らないイギリス人の大人(或は興味のない大人)が多い理由が良く解りました。

2013年6月4日火曜日

ストーンヘンジ



日本から遊びに来た友人とストーンヘンジへ行って来ました。私達が参加したのは、ロンドンからのガイド付き日帰りツアーで、バース(英語のお風呂の語源にもなったローマ風呂があるところ)→レイコック村(13世紀にサクソン人によって作られた村。ハリポタの映画もここで撮影されたものがあります)→田舎のホテルでの晩ご飯→ストーンヘンジ見学という行程のものでした。


ストーンヘンジは普通に入ると、サークルの外側からでしか見れません。今回は折角だから、一般の観光客の帰った後の日の入りの時間に、特別に許可を取り、石のサークルの中にまで入れてくれる「プライベート•ビューイング(Private Viewing)」のツアーを選びました。プライベート•ビューイングは、日の出の時間と日の入りの時間、一日二回、許可がおります。よく、写真で見かけるケルトのドルイド教の白い服を着た人達が、夏至と冬至の日に集まってお祈りしているのはそういうことです。誰でも簡単に入れる訳ではありません。人数制限があって、私達が入った時は44人のグループを二組に分け、1組22人が30分サークルの中に入りました。
石がもろくなっているからというのが理由のようですが、私達が入った時も監視員が目を光らせていて、「石に触ったら見学を中止します」という強いお言葉。子供などが少しでも石に触ろうものなら、「石に触っちゃいかん!」と大声で叫んでいました。


ストーンヘンジは3000年ほど前に作られたと言われて、石が円形状に二重に並んでいるのが特徴です。入り口の部分が夏至の日の出と冬至の日の入りの方角に合致しているので、ある程度天文学の知識のあった人達が建造したと思われます。また、人骨がサークルの中と近隣の丘から発掘された事もあり、単に儀式の場として使われたのではなく、ヒーリングを行う場所だったのではないかとも言われています。スピ系の人達の間では、生け贄の儀式が行われていた場所だったと噂されています。(アズテカ文明など生け贄がすごかったので不思議ではないですよね。)
エジプトのギザにある大ピラミッドやマヤのピラミッド、ニューメキシコ州にあるチャコ•キャニオンなどに比べ、建設技術が稚拙なので、恐らく、高度な知識が失われてしまい、昔あった技術を「真似して」作ろうとしたものなのではないかと思います。エジプトのピラミッドも、昔に作られたものの方が建築技術がすごいですよね。エジプト文明の後期に作られたものは、クフ王のピラミッドと同じようなエナジーは感じられません。ストーンヘンジの石も、かなり風化していて、それほど強いエナジーを感じませんでした。あーこんなもんかって感じ。場所のエナジーは、いろんなものが混じってしまっている感じでした。一度、プライベート•ビューイングをしておいてよかったけど、個人的には、地球のハート•チャクラと言われているグラストンベリーのトール丘のエナジーの方が好きです。

それにしても、風が強くて寒かった!ストーンヘンジがあるのはソールズベリー平原のど真ん中。吹きさらし状態なので、ウィンドブレーカーなど持っていくと良いかもしれません。ちなみに、プライベート•ビューイングは人気があるようで(スピ系の人達が儀式で使う場合もあります)、9月まで朝晩すべて予約が入っているとか。興味がある方はロンドン発のツアーで空きがあるツアーを探してみると良いかもしれません。