2012年8月24日金曜日

ムンク展

テート•モダン美術館で開催されている、ノルウェーの画家ムンク展(Edvard Munch: The Modern Eye)を観に行って来ました。今回はあの有名な「叫び」は展示されておらず、ムンクの描いた絵、肖像画、写真、彫刻、版画、映像などを集めて、新しい視点からムンクを解釈するというテーマでの展覧会でした。

「叫び」以外でムンクの生の作品を見たのは始めてでした。画風を見ていたら、ゴーギャン、ゴッホなどの画家の影響を受けているというのもうなずけます。
吸血鬼
同じテーマ(イメージ)を何回も何回も描いているというのも、彼の特徴のよう。19世紀にはレントゲンが発明され、ムンクは人間の体が透けて見えるという事にも興味を持ったようで、透視的な絵も描いています。


ただ、やはりこの時代を反映してか、彼の性格を反映してか(他のアーティストや元恋人と殺傷事件を起こしている)、死や病気と言ったテーマの作品も多いようです。晩年は、精神的に不安定で、アルコール依存症になり、精神病も煩っています。まさに「叫び」の世界ですね。「自分は、突然死んだり、意識がないまま死んだりしたくない。死ぬ瞬間というものもはっきりと体験したい。」と何度も言っていたとか。今、天国で彼は自分の人生を振り返って、どう思っているのでしょうか。

2012年8月17日金曜日

ロンドンで会った素敵な人:ガリーナ•ベリアイヴァさん

20世紀初頭のロシア人バレリーナ、アンナ•パヴロワをご存知でしょうか。サンクトペテルズブルグの貧しい家庭の出身で、幼いうちにその才能認められ当時のバレエ界を席巻。彼女が踊った瀕死の白鳥は有名。日本のバレエ界にも影響を与えた人です。

今、BFI(British Film Institute)で、パヴロワ関係の映画が上映されています。昨日、その中の一本、Pavlova: a woman for all time(1983年製作)が上映され、制作者の方と知り合いだったのでご招待を受け,映画を観に行って来ました。上映前に、レセプションがあり、パヴロワを演じたロシア人の女優のガリーナ•ベリアイヴァさんとお会いする機会もありました。

バレリーナの役をやったので小柄な人かと思ったら、予想していたよりちょっと背が高かったです。(本人曰く、ヒールを履いているからよとの事ですが。)あれから30年。ガリーナさんは、その後、映画より劇場での仕事をメインにしているそう。今お子さん達がイギリスで勉強しているので、こっちで生活しているけれど、来年はロシアの方に戻るとの事でした。話すととても気さくで、当時の役の面影がまだまだ残る素敵な人でした。これからも、ロシア演劇界で活躍して欲しいですね。
舞台での質疑応答で。