2013年4月23日火曜日

SOUZOU展

http://www.wellcomecollection.org/

日本のアウトサイダー•アート「SOUZOU展」に行って来ました。場所は、ロンドン•ユーストン駅の近くにあるウェルカム博物館。医療系の博物館です。以前、「眠りと夢のしくみ」展などに行った事あります。

タイトルのSOUZOUは「想像」と「創造」を掛け合わせいるそうです。今回は、日本の障害者の方が作られたアートが展示されていました。段ボール箱の裏に描かれた絵に始まり、刺繍、陶芸、巨大な壁画、人形などなど、色んな種類の作品が飾られていていましたが、やっぱり日本人色が出ていました。怪獣系の作品多かったですね。怪獣、色んな解釈が出来そうですが、やっぱり日本人の深層心理に潜んでいるのでしょうか。あと、かなり大胆な性的描写も多く、アート•セラピーの訓練を受けていなければ、鑑賞するの大変だったかなと思いました(笑)。こちらの方は結構オープンですから、平気で観ていましたけど。

「観客を意識しないで作った」と説明にありましたが、確かに「商売っ気」はまったく感じられず、多くの作品に抑圧された色んな感情が出ているのも感じ取れ、ある意味共感出来る作品が多かったです。

6月30日まで。入場無料です。

2013年4月21日日曜日

ピカソ展


「Becoming Picasso Paris 1901」展を観て来ました。19歳の時にスペインからパリに引っ越し、画家デビューした年の作品を集めた企画です。初期の頃のピカソの絵は、まだちょっとは写実的で、後期のキュービズムに走った後の作品と画風が違います。(と言っても同じ人物なので、どの作品にも通ずる雰囲気というものがありますが。)1901年の後半は友人(カサヘマス)の自殺を目撃した事から、鬱のような状態になり暗青色を基調とした作品を多く作っています。いずれにせよ、絵の女性が、男性に見えてしまうような、パワーのある画家だったというのは良く解りました。比較的平面的な画風なんですが、マネなんかの作品より(失礼!)、感情が伝わって来るというか。

ピカソの作品は、美術館の最上階、二部屋に所狭しと飾られていて、私が行った時は、毎月一回、夜9時まで美術館がオープンしている時だったので、仕事帰りの人でごったがえしていて、残念ながらあんまり落ち着いて観れませんでした。そんなに大きな美術館じゃないんです。。。
(この中庭は、冬期、アイススケートのリンクになります。)

この展覧会があったのは、The Courtauld Gallery、テムズ川の河畔、サマセット•ハウスの中にあります 。もともとはチューダー時代の貴族の館だったのですが、改築され、その後、税関などの機関に使われていた時期もありますが、今は、美術館として活躍してます。ピカソ展は臨時特別展ですが、常設部門には、ヴェガス、モネ、ゴーギャン、ヴァン•ゴッホ、カンディンスキーなどの作品が展示されています。ちなみに、ここはロンドンの美術館の中で、数少ない入場が有料(6ポンド)の美術館です。でも、いい作品展示してますよ。

私が行った時には、常設展部門の一室で絵のクラスが開かれていました。ピカソの絵に出て来る道化師の衣装を来たお兄さんが、数秒毎に違うポーズを取り、生徒さん達がそれを素早くスケッチしていました。ヨーロッパ的な催しですね。


2013年4月18日木曜日

ドゴン族

http://www.theearthcenter.com/index.php?title=home/dogon

西アフリカに住むドゴン族の人達がロンドンにやって来たので、お話を聞きに行って来ました。ドゴン族は、マリを中心にアフリカ西部に住む人達ですが、古代エジプトと深い繋がりを持ち、天文学の知識に長け、肉眼では見えないおおいぬ座のシリウスの伴星B(白色矮星)の存在を、西洋人が天体望遠鏡で見つける前から知っていたというのは有名な話です。(空から船でやって来た「両生類の神様」から教えられたそう。)


お話の会に行って気がついたのは、このドゴンの人達は、ブルキナ•ファソに住むドゴンの教えを広めようとしている人達で、シカゴとブルキナ •ファソに拠点を作って活動しているそうです。今回お話をしてくれた3人の司祭のうち、二人はアメリカの方で、イニシエーションを受け司祭になった方でした。ドゴン族は今までその教えを外部の者には教えなかったそうですが、地球がこんな状態になったので、教えを広める時と長老が判断して現在のような組織が作られたとの事。


お話会のタイトルがThe dialogue of energy。私達人間は、体を通して常に地球と宇宙から来るエナジーを受け取り、また還元しているそうで、今はそれが出来ていない人、つまりバランスが崩れた人が沢山いるそう。自然に帰りましょう、自然を敬いましょう、そうしないと地球は破滅してしまいますよ、というメッセージでした。

おもしろい事に、参加者の一人がシリウスの繋がりについて質問すると、「どこへ行っても良く聞かれる。でもはっきり言って、その質問は僕らを侮辱している質問だ。人間より勝っている神のような宇宙人なんている訳ないだろう。僕らの方が劣っているような見方をするなんて間違っている。」と、シリウスとの関係をまっこうから否定。その強い言い方に、彼ら自身が何か恐れを持っているように感じてしまいました。質問した参加者の女性が「侮辱するつもりはまったくなく、単にマリに住むドゴンの長老がそう話しているのをドキュメンタリー番組で観たから聞いてみた。私達人類は、他の星と深い繋がりを持っている。」と食い下がったら、「僕らが西洋の人達に強く言いたいのは、そんな事よりも輪廻転生の概念がまったく忘れ去れている事だ。」と話をそらしてしまいました。

ルーツについても、ご先祖様はナイル河のデルタ地域からやって来たという所に留まり、それ以前の移住の歴史は触れておらず、ピラミッドについても、その当時の知識と力の象徴と説明したに留まり、それ以上は深くはいらず。。。イニシエーションに参加した人達には「奥義」が教えられるのか、それとも、長い年月に渡る集団健忘症で、高度な知識が失われてしまったのか、或は、あまりにも「突飛な事」を言うと大衆に受け入れられないと思い、隠しているのか。とても不思議な感じがしました。

イギリスでは、まだドゴン族というはそれ程知られている存在ではなく、私自身一度お目にかかってみたいと思っていた所なので、アフリカに行く事なくお会い出来たので、タイムリーなイベントではありました。


2013年4月9日火曜日

ドッグ•シッティング



パリに出張に出た友人夫妻に頼まれ、彼らの家に泊まり込みで犬のお世話をしていました。お世話したのは、黒のパグちゃん。生後8ヶ月の女の子です。前回友人宅にお邪魔した時に、私はこのパグちゃんに気に入られたらしく、私を見るなり興奮していきなりおしっこ(笑)。友人は、この子がそこまで気に入るなら安心して任せられるからと、ドッグ•シッティングを頼んで来ました。

その愛くるしい瞳で人を魅了するパグですが、唯一重大な欠陥(?)がある事を私は知りませんでした。それは「いびきがひどい」という事。あんなに小さな体なのに、いびきは、大人の男性のいびきと同じくらいひどいという事を身を持って体験しました(笑)。で、三日間殆ど眠れず(涙)。「寝入りばなに、ちょっといびきをかく事がある」って嘘だったのね。友人が帰宅した時にいびきの話をしたら、彼らはこのパグを買った時に、「パグは鼻の構造上いびきがひどいと教えられた」と話してくれたので、どうやら、いびきの事を言うと嫌がられると思って、内緒にしていたようです(汗)。いびきがひどくて離婚する人の気持ちが良く解るわ(笑)。

さて、このパグちゃんを連れて、散歩に出た時の反応がおもしろかったです。外見は小柄でとても愛くるしい犬ですから、「きゃーかわいい!」と、アル中&薬中っぽい人まで近寄ってくるかと思えば、怖がって避ける人もいました。私から見れば不良っぽいティーンの少年が「げっ!犬だ!」と言って飛び上がって逃げた時は、笑ってしまいました。パグですよ、パグ。咬んでも、あま咬みしかしません。しかも、このパグちゃん、人懐っこい性格で、人を選びません。誰にでもしっぽを振って寄って行きます。それにこの子は、躾はちゃんとしています。犬を見て判断して欲しいと思ってしまいました。

って、事は、犬の問題じゃなくて、人間の問題なんですよね。頭の中にあらかじめインプットされている情報に左右されてしまう。中近東系の人、犬嫌がる人多いですね。アラビア語には、犬という単語を使って相手を罵倒する表現があるので(犬畜生みたいな感じの表現です)、伝統的に犬は嫌われ者のようです。犬のいる家には天使がやって来ないと信じられているとも聞きました。また、アフリカ出身の人は、「動物は汚い。家の外にいるものだ。」って、特に犬、嫌がります。以前、ソーシャル•ワーカーとして働いていた時、アフリカ出身の子供達をペットのいる里親さんの家に連れて行こうとしたらトラブルが起きた時があります。また、黒という色も問題のようで、ヨーロッパでは魔女と関連づけられる場合が多く、話はちょっとそれますが、イタリアでは、毎年、野良の黒猫が何匹も始末されるそうです。

怖いのは、犬じゃなくて、人間の方なんですよね。