2013年2月27日水曜日

アンセル•アダムズ写真展


グリニッチに行った時に、友人と海事博物館で開催しているアンセル•アダムズの写真展も観に行きました。


アンセル•アダムズはアメリカの風景写真家で、彼の撮ったカリフォルニアやワイオミング(ヨセミテ•パーク)の白黒の写真は有名です。今回、生で彼の写真を見るのは初めて。テーマは「Photography from the mountains to the sea(山々から海へかけての写真)」。グリニッチとくれば、テムズの河畔にあり、海軍学校があったぐらい海(と水)に深い関わりがあったので、それにちなんでアンセル•アダムズが撮った湖や海、川などの水の写真がかなりの数、展示されていました。

波の写真など、殆どの瞬間芸のようなものなので撮影するのが難しいだろうに、動きが良く出ていて、波がぶわっとこっちに飛び散るような感覚を得れるのもアダムズの写真ならではでしょう。多分、撮影場所の景色をよく観察する事によってベストの構図をつかむ事が出来た?でも、彼の場合、感覚でやっている部分がかなり大きいようで、こういった能力は天性の才能に左右されるのではないかと思いました。彼の構図は完璧で、私も写真の勉強をする人にはアダムズをお手本にしたらと薦める事が多いです。

今のようにデジタル化される前の時代の話ですから、現像は大変な作業だったようで、アダムズも何時間も暗室に籠り、同じ一枚のネガから、何枚もプリントを作成し、完璧な画像を作り出して行ったそうです。エコロジストの先駆者でもあり、自然をこよなく愛したアダムズ。当時、風景だけを撮るアダムズは、報道写真家達(アンリ•カルティエ=ブレッソンなど)からは、なまっちょろいと批判されていた事も知りました。

会場には亡くなる前のアダムズのインタビューが上映されていて、1984年にBBC放送が行ったインタビューの中で、アダムズは写真はシーンにつき殆ど一発勝負、一枚しか撮影しないと言っていたのでびっくりしました。普通、写真家というのは、何枚も撮影して、その中で一番良い物を選ぶと思っていたからです。(例外があるそうですが、それは、もしネガを駄目にしたらと思った場合のみで、まったく同じ露出で撮影しているので、紙焼に出る結果は同じと言っていました。)特にブラッケティングについて、「f/8とかf/16とかいろいろ試すのは、被写体の事を良く解っていないからだ。被写体の事が良く解っていれば、一発で適性露出を決める事が出来る筈だ」うーん、、、ごもっとも。私もまだまだ修行が足りないです•••。

写真展、4月28日までやっています。


湖に写る風景が美しく、本当はいけないんだけど、こっそり写真撮ってしまいました(笑)。

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